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2006/02/21

今年のF1マシンを解剖!! ~その1~

“サスペンションジオメトリ編”

今シーズンも開幕まであと2週間を切り、各チームともに今年使用の新型車を精力的にテストをしています。そこで、今年のマシンのトレンドを数回に分けて観察してみようと思います(専門家ではないので間違いがあればご指摘ください)。

今回はサスペンションジオメトリを見てみましょう。

まず、サスペンションって何?という人のために簡単にご説明します(ある程度理解されている方は(※)からお読みください)。 サスペンションとは、4つのタイヤと車体をつなぐ部分で日本語では「懸架装置」とも言われます。また、ジオメトリとは日本語で「幾何学」という意味です。すごく簡単に言えば、レイアウトみたいなものでしょうか?

さて、このサスペンション、ただタイヤと車体とをつなげば良いというものではありません。レーシングカーのみならず一般車でも、走行中の車両はカーブなどで姿勢が変化します。そうすると、サスペンションが動くことによってタイヤの接地面積が減少することがあります。これは、常に速さを追求し続けているレーシングカーにとっては良いことではありません。そのため各チームは、タイヤの接地面積を稼ぎ、直線でもコーナーでも速く走ることができるようなサスペンションジオメトリを考えているわけです。

(※)今年の各F1マシンのサスペンションジオメトリは大きく変化しました。昨年までの主流はロワアームが車体のセンターに出っ張り(キール)を設けてそこに接続するという「シングルキール方式」でした。しかし、今年これを採用したのはフェラーリトロ・ロッソのみです(フェラーリ以外は旧型車)。

Single_keel

この方式の利点は、サスペンションの強度面で優れるということです。また、セッティングの自由度の面で有利ですが、空力面では不利な方式です。

次に、昨年ルノーが新しく考案したVキール方式」です。これは一見するとシングルキール方式と似ていますが、接続部分の出っ張りがV字になっている点が異なります。

V_keel

この方式は、強度面に優れることが挙げられます。しかしながら、最も大きな利点はセッティングの自由度を残しつつ、マシン後方により多くの空気を流し込めることです。シングルキール方式では空気の流れをこのキールが遮ってしまうため、ダウンフォース発生に限りがありました。しかしこのVキールは、キールをV字にすることでマシン後方に多くの空気を流し込み、より多くのダウンフォースを生み出すことができます。今年はルノーレットブルがこの方式を採用しています。

しかしながら、今年は上記の2つに比べて「ゼロキール方式」を新たに採用するチームがかなり多く見受けられます。

Zero_keel

「ゼロキール方式」とは、キールを持たせずにモノコックに直接ロワアームを取り付ける方式です。この方式は、セッティングの自由度面では上記2つの方式に劣るものの、ダウンフォース発生(空力)の面では上記2つより断然有利です。

昨年のトヨタが「TF105B」にこの方式を採用したのをきっかけに、今年はマクラーレントヨタウィリアムズホンダBMWが採用しています。

また、ミッドランドスーパーアグリはモノコック下部に左右1本ずつのキールを設けてロワアームを接続させる「ツインキール方式」を採用しています。

この方式は、「ゼロキール方式」同様にダウンフォース発生(空力)の面では有利ですが、強度面が問題となります。これを解決するため、両チームはキールを短くすることで強度を稼いでいます。そのため、ほとんどゼロキールと変わりません。

今回は、ロワアームの接続方法を主に見ましたが、アッパーアームの接続方法の違いによってもサスペンションジオメトリは大きく違います。

このサスペンションジオメトリを見ることで、各チームがタイヤの要求を重視しているのか、または空力の要求を重視しているのかが分かります。それと同時に、非常に難しい分野ではありますが、厳しいレギュレーションの中で各チームの個性が出る部分でもあります。

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コメント

ゼロキールの代表はマクラーレンでしょ。
ゼロキールは「マクラーレン型」っていわれるくらいだし。
だからマクラーレンはゼロキールに分類しないと誤解が生まれる。

あとスーパーアグリは誰がどーみてもツインキール。あれをどう見たらシングルキールにみえるのか・・・

投稿: kkk | 2006/07/15 午後 09時47分

マクラーレンはゼロキールに分類すべきでしょ。
ゼロキールは「マクラーレン型」って呼ばれるくらいだし。
それとスーパーアグリはどー見てもツインキール。

投稿: kkk | 2006/07/15 午後 09時42分

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